
3 権利侵害への対応
第16.3 権利侵害への対応
● 削除請求と損害賠償請求
Q・インターネット上の掲示板などで、プライバシー侵害や名誉毀損にあたる書き込みをされた場合、どのような対応ができるでしょうか。
A・そのような書き込みを削除してもらうことや、悪質な場合には、損害賠償請求を考える必要があります。
Q・どのように対処すればいいですか。
A・まず、プロバイダに対して、プライバシー侵害や名誉毀損にあたる書き込みの削除と、書き込みをした人物(発信者)に関する情報(発信者情報)を明らかにするよう申し入れてください。
それにより、明らかに悪質な書き込みを、プロバイダが自主的に削除する場合があります。
その際、発信者を特定するための情報まで抹消してしまう場合があるため、発信者に対する責任追及を考える場合は、発信者に関するデータを全て保存しておくよう申し入れておく必要があります。
また、プロバイダ自身が発信者を特定できる場合には、プロバイダから発信者に対し、発信者情報開示の是非を問い合わせ、それにより、発信者が自主的に書き込みを削除することが期待できる場合があります。
それにより、明らかに悪質な書き込みを、プロバイダが自主的に削除する場合があります。
その際、発信者を特定するための情報まで抹消してしまう場合があるため、発信者に対する責任追及を考える場合は、発信者に関するデータを全て保存しておくよう申し入れておく必要があります。
また、プロバイダ自身が発信者を特定できる場合には、プロバイダから発信者に対し、発信者情報開示の是非を問い合わせ、それにより、発信者が自主的に書き込みを削除することが期待できる場合があります。
● 道は険しい!-発信者情報の開示請求
Q・発信者が情報開示を拒否したり、あるいは、プロバイダ自身が発信者を特定できない場合は、どのように発信者を特定することができますか。
A・発信者の特定方法については、「第16.2 発信者の特定」で解説しました。
犯罪捜査のためであれば別ですが、一般市民に対し、プロバイダが発信者情報の開示に協力することは、まずありません。
この場合には、面倒ですが、次の二つの裁判手続を経る必要があります。
① まず、掲示板を管理している「コンテンツプロバイダ」に対する裁判で、
発信者のIPアドレス等の情報を得る必要があります。それにより、発信者の氏名等を把握している「経由プロバイダ」が判明しますので、
② 次に、その「経由プロバイダ」に対する裁判で、
発信者情報の開示を受け、発信者の氏名や住所等を把握することになります。
犯罪捜査のためであれば別ですが、一般市民に対し、プロバイダが発信者情報の開示に協力することは、まずありません。
この場合には、面倒ですが、次の二つの裁判手続を経る必要があります。
① まず、掲示板を管理している「コンテンツプロバイダ」に対する裁判で、
発信者のIPアドレス等の情報を得る必要があります。それにより、発信者の氏名等を把握している「経由プロバイダ」が判明しますので、
② 次に、その「経由プロバイダ」に対する裁判で、
発信者情報の開示を受け、発信者の氏名や住所等を把握することになります。
Q・発信者を特定するのは、なかなか難しいのですね。
A・このような問題は、表現の自由との調整が必要になるため、プロバイダ責任制限法も、慎重な手続を要請しているのです。
もっとも、プライバシー侵害の場合は、名誉毀損の場合と比較して、権利侵害の有無が分かりやすいため、プロバイダにおいて開示に協力する可能性が高いといえます。
なお、プロバイダによる発信者情報の保存期間は、3ヶ月~6ヶ月とされていますので、書き込みを長期間放置してしまうとプロバイダに対して発信者情報の開示を求めることができなくなるので、注意が必要です。
もっとも、プライバシー侵害の場合は、名誉毀損の場合と比較して、権利侵害の有無が分かりやすいため、プロバイダにおいて開示に協力する可能性が高いといえます。
なお、プロバイダによる発信者情報の保存期間は、3ヶ月~6ヶ月とされていますので、書き込みを長期間放置してしまうとプロバイダに対して発信者情報の開示を求めることができなくなるので、注意が必要です。
● 検索結果削除請求
Q・インターネット上に、プライバシー侵害情報などがすでに拡散していると、自分の氏名を検索しただけで、その検索結果の中に、侵害情報が表示されてしまう場合があります。
何か対策はありますか。
何か対策はありますか。
A・裁判所の決定で、検索エンジンによる検索結果の削除が命じられたケースもありますので、検索結果ページに表示されるタイトルやスニペット(検索結果の一部として表示される、ウェブページの要約文)の削除を求めて裁判を提起することが考えられます。