
2 境界
第14.2 境界 (1)境界とは
● 「筆界」と「所有権界」
Q・これまでうちと隣家との境には、木が植わっていました。今般、隣家が改築にあたり、木を撤去して塀を設置しようとしています。その塀が、うちとの境界を越えているようだったので、申し入れたところ、隣家は「ここまでがうちの土地だ」と言っています。
隣家との境界は、必ずしも明確ではありません。
どのように対処したらよいでしょうか。
隣家との境界は、必ずしも明確ではありません。
どのように対処したらよいでしょうか。
A・まず、隣家がどのような意味で「うちの土地だ」と言っているのかを確かめる必要があります。
「境界」を問題とする場合には、「筆界(ひっかい)」のことを言っているのか、「所有権界」のことを言っているのかで、対処が異なるからです。
「境界」を問題とする場合には、「筆界(ひっかい)」のことを言っているのか、「所有権界」のことを言っているのかで、対処が異なるからです。
Q・どのような違いがあるのですか。
A・「筆界」とは、「公法上の境界」「地番の境の境界」などと言われます。
土地には1筆ごとに地番がついています。
その1筆の土地の及ぶ範囲を区画する線が「筆界」です。
これに対し、「所有権界」は「私法上の境界」「所有権の境の境界」などと言われます。
すなわち、所有権の及ぶ範囲が「所有権界」です。
土地には1筆ごとに地番がついています。
その1筆の土地の及ぶ範囲を区画する線が「筆界」です。
これに対し、「所有権界」は「私法上の境界」「所有権の境の境界」などと言われます。
すなわち、所有権の及ぶ範囲が「所有権界」です。
Q・筆界と所有権界とで、異なる場合があるのですか。
A・筆界と所有権界とは、通常は一致しています。
しかし、例えば、隣家が隣接する他人の土地に越境して、何十年も経過しているといった場合に、所有権の時効取得が認められるケースがあります。
その場合には、筆界と所有権界とが異なることになります。
しかし、例えば、隣家が隣接する他人の土地に越境して、何十年も経過しているといった場合に、所有権の時効取得が認められるケースがあります。
その場合には、筆界と所有権界とが異なることになります。
Q・そうすると、今回のケースでは、隣家がただ単に、不明確となっている筆界のことを言っているのかどうかを、まず確認する必要がありますね。
A・そのとおりです。
● 不明確な境界―資料をもとに、まずは話し合いを
Q・隣家が、不明確となっている筆界のことを言っている場合には、今後、どのように対処したらよいでしょうか。
A・まずは、どうして隣家が、そこが筆界であると述べているのか、その根拠を確認して下さい。
また、こちらについても、どこを筆界と考えているのか、その根拠は何か、について明らかにし、検討する必要があります。
それぞれが資料をもとに、よく話し合うことが大切です。
また、こちらについても、どこを筆界と考えているのか、その根拠は何か、について明らかにし、検討する必要があります。
それぞれが資料をもとに、よく話し合うことが大切です。
Q・筆界を検討、判断する材料として、どのようなものがありますか。
A・一般的には、自分たちがそれぞれ所持している、土地の登記簿謄本や測量図面、土地を購入したときの境界確認の書面が参考になります。
法務局に備え付けてある「公図」や、「地積測量図(ちせきそくりょうず)」などの図面も参考になります。
また、筆界を特定する材料としては、「境界標」がどうなっているか、土地の地形がどうなっているか、これまでの使用状況はどうだったか、過去に撮影した土地の写真、などといったものが考えられます。
法務局に備え付けてある「公図」や、「地積測量図(ちせきそくりょうず)」などの図面も参考になります。
また、筆界を特定する材料としては、「境界標」がどうなっているか、土地の地形がどうなっているか、これまでの使用状況はどうだったか、過去に撮影した土地の写真、などといったものが考えられます。