2 高齢者の住まい

第11.2 高齢者の住まい

● 賃貸借の継続

 

Q・私は1人でアパート住まいをしています。今年で70歳を迎えましたが、家主から、「火の始末など危険なので、次の契約更新はできない」と言われています。
 新しい転居先を探すのは費用もかかるし、大変です。
 どうすればいいでしょうか。

A・これまで何か具体的に、火の始末などの問題で危険が生じたことがあったのでしょうか。
 そのような問題もないのに、ただ高齢であることだけを理由に、家主が契約更新を拒むことはできません。
 家主側が契約の更新を拒絶するには「正当事由」が必要です。
 特に、高齢者の借主が自宅としてアパートを使用する必要性は高く、高齢を理由とした更新拒絶に正当理由は認められません。

Q・アパート賃貸借契約の連帯保証人になってくれていた友人が亡くなりました。
 友人には相続人がなく、他に保証人になる人のあてもありません。
家主から、保証人が立てられないなら出て行くように言われた場合には、出て行かなければならないのでしょうか。

A・契約で連帯保証人が必要とされている場合、新たな連帯保証人が立てられなければ、契約違反の状態が生じる場合があります。
 しかしその場合でも、これまで家賃がきちんと支払われており、今後も滞納等の心配がないといった事情があれば、家主側の賃貸借契約の解除が認められるのは、難しいと考えられます。


 

● 借家のための支援

 

Q・夫婦で暮らしていましたが、夫に先立たれ1人住まいとなったので、もう少し狭いアパートに転居したいと思います。
 高齢者に貸してくれる部屋があるのか、連帯保証人がいなくても大丈夫かなど、心配しています。
 高齢者の借家について、何か支援している法律はありますか。

A・高齢者居住安定確保法という法律が、連帯保証人のいない高齢者等の借家を支援しています。
 現在、高齢者であることを理由に入居を拒否しない住宅の情報が公開され、その住宅の入居者については、財団法人高齢者住宅財団による家賃債務保証が受けられる制度が運用されています。

Q・その住宅の情報は、どこで確認することができますか。

A・高齢者住宅財団のホームページ等で確認することができます。


 

● 改築のための支援

 

Q・築30年以上の持ち家に住んでいます。
 手すりを付けたり、段差をなくすバリアフリーの工事をしたいのですが、改築工事のために高齢者が受けられる融資制度はありますか。

A・はい。60歳以上の高齢者がバリアフリーの工事をする際には、毎月の返済額を利息部分のみとする返済特例制度を利用することができます。
 この制度を利用した場合、元金の返済は死亡時の一括返済とすることができます。

Q・特例制度の利用方法を教えてください。

A・特例制度を利用するためには、制度についての概要説明を受ける必要があります。
 高齢者住宅財団(0120-602-708)、または住宅金融支援機構(0570-0860-35)にお問い合わせください。