3 著作物の上演・演奏・放送について

第9.3 著作物の上演・演奏・放送について

● 著作物の上演・演奏

 

Q・地域で催す会合で、市販のCDをBGMなどに使ったり、また、子どもたちに、人気アニメのビデオを見せようと考えています。
 著作権侵害にはなりませんか。

A・録音・録画したものを再生することも、著作物の上演・演奏に含まれます。
 したがって、CDやビデオ、DVDなどを公衆に見せ、聞かせることを目的として再生するには、著作権者の許諾が必要であるとするのが、著作権法の基本的な立場です。
 ただし、著作権法はその例外として、「営利を目的とせず」かつ「聴衆・観衆から料金などの対価を受けない場合」には、著作権者の許諾は必要ないと定めています。
 したがって、地域の懇親を目的とした会合で、かつ、参加費も無料であれば、CDやビデオの再生は、著作権侵害にはなりません。

Q・例えば、会場利用料や、お茶菓子代などの実費にあてるために、参加者から少額を集める場合には問題となりますか。

A・実費といっても、会合の内容によってかかる費用は様々ですので、“実費の範囲内だから良い”ということにはなりません。
 しかし、子どもたちの茶菓子代のための僅かな金額であれば、料金などの対価を受けたことにはならないでしょう。


 

● 営利を目的とした利用の場合

 

Q・雑貨屋を経営しています。店内があまり静かだと寂しいので、市販の流行曲のCDをBGMにかけています。
 著作権者の許諾を得る必要がありますか。

A・はい。許諾を得る必要があります。
 BGMとして音楽を演奏することは、店内環境を向上させて集客を期待するものですので、営利目的があると考えられます。

Q・著作権者の許諾は、どのように得ればよいのでしょうか。

A・多くの曲は、JASRAC(日本音楽著作権協会)が著作権の管理を行っています。JASRACとの間で利用許諾契約を締結し、一定の使用料を支払う必要があります。


 

● 著作物の放送

 

Q・飲食店を経営しています。家庭用のテレビを置いて、お客さんがテレビを見られるようにしています。
 この場合も、著作権侵害になるのでしょうか。

A・いいえ。通常の家庭用のテレビやラジオを使って放送を流すことは、営利目的があったとしても、著作権侵害にはなりませんのでご安心下さい。