1 著作権ってなに?

第9.1 著作権ってなに?

● 著作権

 

Q・音楽の違法ダウンロードや、有名なキャラクターの類似品が流行したときに「著作権侵害」という言葉を耳にします。
 そもそも「著作権」とは、どのような権利なのですか。

A・思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの(これを「著作物」といいます)について、それを創作した人(これを「著作者」といいます)に認められた独占的、排他的な権利を「著作権」といいます。


 

● 著作物

 

Q・著作物には、具体的にどのようなものがありますか。

A・小説、脚本、論文、講演など言語によるもののほか、音楽、絵画、彫刻、建築、映画、写真などが、著作権法に例示されています。
 いずれも、創作性のある表現であることが必要です。


 

● 具体的な権利の内容

 

Q・それら著作物に対して、具体的にどのような権利が著作権として認められるのですか。

A・著作物を複製する権利や、公に上演・演奏する権利、放送や通信手段を用いて著作物を配信する権利、言語の著作物を公に口述したり、美術の著作物を公に展示したり、また映画の著作物を公に上映しその複製物により頒布する権利、さらに著作物を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化する権利など、様々です。
 また、著作者には、著作物を公表する権利、著作者であることの表示する権利、著作物の改変を受けない権利といった、いわゆる「著作者人格権」が認められています。

Q・例えば、創作的な絵を描いた人には、その絵を販売するためにコピーしたり、展示したり、あるいはそれをジオラマのように立体的に変形させたりすることが著作権として保護されるということですね。

A・そのとおりです。
 著作物に対する独占的権利ですから、音楽をダウンロードして複製する場合には、その音楽の著作権者の許諾がなければ、著作権侵害となります。
 また、あるキャラクターを勝手に商品化したり、一部改変して類似品を作ることも、そのキャラクターの著作権者の許諾がなければ、著作権侵害となります。

Q・著作権は、どこかに届け出ることが必要なのですか。

A・いいえ。特許権や商標権などとは異なり、登録などの手続きは必要ありません。
 著作物を創作しさえすれば、著作権が発生します。


 

● 著作物が無断使用されたら

 

Q・私が創作して描いたオリジナルのキャラクターが、知らない間に他人のホームページに掲載されている漫画の主人公になっていました。
 キャラクターを使わせないようにすることはできますか。

A・著作者の許可なく、著作物を利用することはできません。
 その場合は、ホームページの開設者や、漫画の作者などに対して、キャラクターの利用の差し止めを請求することができます。
 また、損害賠償請求もできます。そのキャラクターを使用して利益を得ているような場合にはなおさらです。

Q・著作権侵害があった場合、その侵害者に刑事罰が科されることはありますか。

A・著作権侵害を行った者には、懲役や罰金等の刑事罰が科せられることもあります。