
4 ハラスメント問題
第8.4 ハラスメント問題 (5)パワーハラスメント①
● パワーハラスメントとは
Q・「パワハラ」(パワーハラスメント)という言葉も定着しましたが、パワハラとはどのような行為のことをいうのですか。
A・法令上、パワハラの明確な定義はありませんが、厚生労働省の定義によると、パワハラとは、
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」
とされています。
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」
とされています。
Q・具体的には、どのような行為ですか。
A・パワハラに該当する典型的な行為として、次の6つの類型が挙げられます。
(1)叩く、殴る、蹴るなどの「身体的な攻撃」
(2)必要以上に長時間にわたり叱責するなどの「精神的な攻撃」
(3)仲間外れや無視などの「人間関係からの切り離し」
(4)遂行不可能なノルマを強制するなどの「過大な要求」
(5)能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えないなどの「過少な要求」
(6)身内に対する悪口を言われたり、交際相手について執拗に問われるなどの「個の侵害」
(1)叩く、殴る、蹴るなどの「身体的な攻撃」
(2)必要以上に長時間にわたり叱責するなどの「精神的な攻撃」
(3)仲間外れや無視などの「人間関係からの切り離し」
(4)遂行不可能なノルマを強制するなどの「過大な要求」
(5)能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えないなどの「過少な要求」
(6)身内に対する悪口を言われたり、交際相手について執拗に問われるなどの「個の侵害」
Q・この6類型に該当しなければ、パワハラには該当しないと考えてよいのですか。
A・これに該当しなければパワハラではない、ということではありません。
また、パワハラは上司から部下に対して行われることが多いですが、それに限らず、職場におけるいじめや嫌がらせを広く含む概念です。
また、パワハラは上司から部下に対して行われることが多いですが、それに限らず、職場におけるいじめや嫌がらせを広く含む概念です。
● パワハラについての法的責任
Q・パワハラが発生した場合、パワハラを行った本人はどのような責任を負いますか。
A・パワハラを行った本人は、不法行為に基づく損害賠償責任を負う可能性があります(民事責任)。
また、6類型の中の「身体的な攻撃」に該当する場合については、暴行罪や傷害罪などの刑事責任を問われる可能性もあります。
また、6類型の中の「身体的な攻撃」に該当する場合については、暴行罪や傷害罪などの刑事責任を問われる可能性もあります。
Q・会社は何か責任を負いますか。
A・会社については、社員が行ったパワハラについて「使用者責任」を負う可能性があります(民事責任)。
また、使用者は、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をする義務(安全配慮義務)を負っています。
パワハラを放置することは、安全配慮義務違反として、会社自身の損害賠償責任も生じさせることになります。
パワハラは、最悪の場合、精神的に追い詰められた被害者が自ら命を絶ってしまうという深刻な結果に至ることもあります。
そうなったら、被害者はもちろん、会社にとっても大きな損失が生じることになります。
一方で、会社がパワハラに対して適切に対処する措置をとっていれば、他のハラスメントの防止にも役立ちますし、職場環境の改善によって、生産性が向上することにもつながるので、単なる不利益の回避以上のメリットがあるといえます。
パワハラを防止することはとても大切です。
また、使用者は、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をする義務(安全配慮義務)を負っています。
パワハラを放置することは、安全配慮義務違反として、会社自身の損害賠償責任も生じさせることになります。
パワハラは、最悪の場合、精神的に追い詰められた被害者が自ら命を絶ってしまうという深刻な結果に至ることもあります。
そうなったら、被害者はもちろん、会社にとっても大きな損失が生じることになります。
一方で、会社がパワハラに対して適切に対処する措置をとっていれば、他のハラスメントの防止にも役立ちますし、職場環境の改善によって、生産性が向上することにもつながるので、単なる不利益の回避以上のメリットがあるといえます。
パワハラを防止することはとても大切です。