
2 派遣労働
第8.2 派遣労働 (3)派遣先環境の整備
● 派遣先環境の安全衛生
Q・私はA社(派遣元)からB社(派遣先)に派遣された派遣社員です。B社ではボイラー等の危険な機械を使用して作業をしているのですが、機械の定期点検を行っていないようで、職場の安全性に不安を感じます。
派遣先の職場の安全衛生については誰が管理するのですか。
派遣先の職場の安全衛生については誰が管理するのですか。
A・派遣社員の雇用主はB社ではなくA社ですが、実際の職場において派遣社員に指揮命令を行うのはB社です。そこで、労働者派遣法は、派遣社員の安全衛生を確保するための管理責任をA社だけでなくB社にも負わせています。
ボイラー等の危険な機械の自主検査は、本来はB社の義務ですので、まずはB社に対して点検を行うよう申し入れましょう。
ボイラー等の危険な機械の自主検査は、本来はB社の義務ですので、まずはB社に対して点検を行うよう申し入れましょう。
Q・B社に申し入れても、善処してくれない場合はどうしたらいいでしょうか。
A・派遣労働者にとって、労働環境の安全確保は不可欠です。派遣先の労働安全衛生法違反の事実は、派遣先はもちろん、派遣元のA社にも申告し、善処を求めて下さい。
それでも善処がなされない場合は、A社からB社との間の労働者派遣契約自体を解除してもらうなどの措置をとってもらうことも考えるべきでしょう。
それでも善処がなされない場合は、A社からB社との間の労働者派遣契約自体を解除してもらうなどの措置をとってもらうことも考えるべきでしょう。
● 派遣社員の労働保険・社会保険
Q・派遣社員の労働保険や社会保険は、どうなっているのでしょうか。
A・労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」、社会保険とは、「健康保険」や「厚生年金保険」などをいいます。
まず「労災保険」については、労働者を1人でも雇用している事業者は、すべて労災保険の適用を受け、すべての労働者に労災保険が適用されます。
まず「労災保険」については、労働者を1人でも雇用している事業者は、すべて労災保険の適用を受け、すべての労働者に労災保険が適用されます。
Q・「雇用保険」についてはどうですか。
A・これも、労働者を雇用する事業者は、すべて雇用保険の適用を受け、労働者は原則として雇用保険の適用を受けます。
いわゆる登録型派遣(派遣元に登録して、労働者派遣の期間だけ派遣元との雇用契約が締結される形態のもの)の場合でも、
(1)31日以上雇用されることが見込まれ、かつ、
(2)1週間の所定労働時間が20時間以上の場合は、加入資格があります。
それ以外の場合にも、「日雇労働被保険者」として加入できる場合がありますので、各県の労働局やハローワークにご相談ください。
いわゆる登録型派遣(派遣元に登録して、労働者派遣の期間だけ派遣元との雇用契約が締結される形態のもの)の場合でも、
(1)31日以上雇用されることが見込まれ、かつ、
(2)1週間の所定労働時間が20時間以上の場合は、加入資格があります。
それ以外の場合にも、「日雇労働被保険者」として加入できる場合がありますので、各県の労働局やハローワークにご相談ください。
Q・「健康保険」や「厚生年金保険」についてはどうですか。
A・これは、少し複雑ですが、常時従業員を使用している派遣会社の場合には、強制的に社会保険が適用されます。
そこで働く労働者についても、当然に被保険者となりますが、2ヶ月以内の期間を定めて雇用される者や、日々雇い入れられる者は、適用除外となります。
ただし,その場合でも、所定の期間を超えて、引き続き使用される場合には被保険者となるとされています。
そこで働く労働者についても、当然に被保険者となりますが、2ヶ月以内の期間を定めて雇用される者や、日々雇い入れられる者は、適用除外となります。
ただし,その場合でも、所定の期間を超えて、引き続き使用される場合には被保険者となるとされています。
Q・各種保険についての問い合わせ窓口はどこですか。
A・労災保険の場合は労働基準監督署、雇用保険の場合はハローワーク、健康保険や年金の場合は社会保険事務所に問い合わせてみてください。
● 派遣社員の福利厚生
Q・派遣社員の健康診断はA社(派遣元)とB社(派遣先)のどちらで受けることができますか。
A・使用者は、常時使用する労働者に対し、雇い入れたときと、その後1年以内ごとに1回、定期的に一般健康診断(身長、体重、血圧等の基本的な健康診断)を実施しなければなりません。
派遣社員の場合は、雇用主であるA社がこの一般健康診断を実施する必要があります。
なお、高圧室内の業務や、放射線業務に携わる派遣社員については、派遣先企業に対しても、一般健康診断よりも精密な特殊健康診断を実施しなければならないとされています。
派遣社員の場合は、雇用主であるA社がこの一般健康診断を実施する必要があります。
なお、高圧室内の業務や、放射線業務に携わる派遣社員については、派遣先企業に対しても、一般健康診断よりも精密な特殊健康診断を実施しなければならないとされています。