
2 派遣労働
第8.2 派遣労働 (2)派遣社員の労働条件
● 派遣元の就業規則が適用される
Q・私はA社(派遣元)からB社(派遣先)に派遣された派遣社員です。先日、B社から、「当社の就業規則どおりに残業をしてもらいたい」と言われました。どうしたらいいでしょうか。
A・雇用主が制定する就業時間、賃金、退職、職場規律等についての規則を就業規則といいます。
派遣社員の雇用主はA社(派遣元)であり、B社(派遣先)ではありません。したがって、あなたは、原則として、B社の就業規則に従う必要はなく、残業についても、A社の就業規則に沿って考える必要があります。
派遣社員の雇用主はA社(派遣元)であり、B社(派遣先)ではありません。したがって、あなたは、原則として、B社の就業規則に従う必要はなく、残業についても、A社の就業規則に沿って考える必要があります。
Q・B社(派遣先)の就業規則に従わなくてはいけない場合もあるのでしょうか。
A・派遣社員の労働条件は、派遣元企業と派遣先企業の「労働者派遣契約」によって決まります。その「労働者派遣契約」の内容に、派遣先企業の就業規則の内容が織り込まれているときは、それに従う必要があります。
この「労働者派遣契約」の内容は、派遣元企業が、派遣労働に先立って、派遣社員に明示することとされています。A社に問い合わせてみてください。
この「労働者派遣契約」の内容は、派遣元企業が、派遣労働に先立って、派遣社員に明示することとされています。A社に問い合わせてみてください。
● 派遣社員の年次有給休暇
Q・月末に田舎に帰る必要が生じました。派遣社員でも有給休暇は取得できるのでしょうか。
A・派遣社員も正社員と同様に、労働基準法上の要件を満たせば、年次有給休暇を取得することができます。
具体的には、6か月間継続して勤務し、その労働日の内8割以上出勤した場合、10日間の有給休暇を取得します。
なお、週の所定労働時間(労働契約等で定められた労働時間)が30時間未満の短時間労働者の場合でも、労働日数に応じた有給休暇が付与されます。
具体的には、6か月間継続して勤務し、その労働日の内8割以上出勤した場合、10日間の有給休暇を取得します。
なお、週の所定労働時間(労働契約等で定められた労働時間)が30時間未満の短時間労働者の場合でも、労働日数に応じた有給休暇が付与されます。
Q・有給休暇の申請はどこにすればよいですか。
A・派遣社員に有給休暇を与えるのは、雇用主である派遣元企業の責任です。有給休暇の申請はA社(派遣元)にしてください。
Q・B社(派遣先)は今忙しいので、有給休暇をとるなら来月にしてくれといわれそうです。
A・事業の正常な運営を阻害するときは、使用者は年次有給休暇をとる時季を変更することができるとされています(「時季変更権」といいます)。
しかし、あなたの使用主はB社(派遣先)ではなくA社(派遣元)ですので、B社の多忙は「変更」の理由になりません。
しかし、例えば、業務の性質上、A社が代わりの派遣社員を派遣することができないなどの理由で、A社が時季変更権を行使してくる場合があります。
しかし、あなたの使用主はB社(派遣先)ではなくA社(派遣元)ですので、B社の多忙は「変更」の理由になりません。
しかし、例えば、業務の性質上、A社が代わりの派遣社員を派遣することができないなどの理由で、A社が時季変更権を行使してくる場合があります。
● 派遣先企業でのトラブル
Q・B社(派遣先)の先輩からセクハラを受けた場合、B社に何らかの責任は生じますか。
A・派遣社員がB社(派遣先)の指揮命令下で働いている間は、A社(派遣元)だけではなく、B社も雇用者としての責任を負います。B社は、セクハラ防止についての管理責任があります。
Q・派遣社員が正社員よりも明らかに大量の仕事を押しつけられているなど、派遣社員に対する不平等な取り扱いに問題はないのでしょうか。
A・正社員と派遣社員の業務分担について、均等待遇を定めた法律はありません。しかし、仕事量の不均衡の程度が著しい場合や、仕事量の不均衡が嫌がらせ目的による場合など、派遣先が明らかに差別的な取り扱いをしていると考えられるときは、違法となることがあります。
まずは、派遣元企業で定められている、派遣元責任者に相談して下さい。
まずは、派遣元企業で定められている、派遣元責任者に相談して下さい。