
1 労働問題一般
第8.1 労働問題一般 (5)名ばかり管理職・有給休暇
● 名ばかり管理職の問題とは?
Q・最近ニュースなどで「名ばかり管理職」という言葉を耳にします。これはどういった問題なのでしょうか。
A・法律上、「監督もしくは管理の地位にある者」(以下「監督等の地位にある者」といいます)については、例えば、残業代や休日出勤した場合の割増賃金などは請求できないとされています。
「名ばかり管理職」の問題は、これを根拠に、従業員に「店長」等の地位を与えることで、残業代等の支払いを不当に免れていた問題です。
「名ばかり管理職」の問題は、これを根拠に、従業員に「店長」等の地位を与えることで、残業代等の支払いを不当に免れていた問題です。
Q・そもそも、「監督等の地位にある者」は、どうして法律では、残業代等を請求できないとされているのですか。
A・そのような地位にある者は、労働条件等の管理について、経営者と一体の立場にあることから、労働時間等の規制になじまないと考えられているからです。
Q・「店長」といっても、従業員となんら変わらない労働条件の人はたくさんいるのではないですか。
A・そのとおりです。ですから、「店長」等の立場、名称にとらわれることなく、例えば、
(1)職務の内容、権限、責任、
(2)出社・退社の自由度
(3)その地位にふさわしい処遇(基本給、賞与等)の有無
等から、本当に「経営者と一体の立場」にあるかどうか、その実態を判断する必要があります。
「名ばかりの管理職」の場合には、残業代や割増賃金を請求できます。この点は、経営者側も注意する必要があります。
(1)職務の内容、権限、責任、
(2)出社・退社の自由度
(3)その地位にふさわしい処遇(基本給、賞与等)の有無
等から、本当に「経営者と一体の立場」にあるかどうか、その実態を判断する必要があります。
「名ばかりの管理職」の場合には、残業代や割増賃金を請求できます。この点は、経営者側も注意する必要があります。
● 有給休暇をとるためには?
Q・私の会社では、有給休暇をとるためには、事前に休暇願に休暇理由を書いて提出し、上司の許可をもらう必要があります。許可がない場合、有給休暇は認められないのでしょうか。
A・有給休暇(法律上は「年休」といいます)は、「6か月間の継続勤務」と「全労働日の8割以上出勤」の2つの条件を満たした場合に、法律上当然に認められる権利です。
したがって、有給休暇をとる際、会社には、休暇の始期と終期を伝えれば足り、休む理由を告げたり、ましてや許可を得る必要もありません。
(ただし、就業規則等で、例えば、何日前までに有給休暇の申請をしなければならないと定められているような場合には、原則として、それに従う必要があります)
したがって、有給休暇をとる際、会社には、休暇の始期と終期を伝えれば足り、休む理由を告げたり、ましてや許可を得る必要もありません。
(ただし、就業規則等で、例えば、何日前までに有給休暇の申請をしなければならないと定められているような場合には、原則として、それに従う必要があります)
Q・有給休暇の日数はどのように決まるのですか。
A・有給休暇は、採用後、満6か月に達した日の翌日以降に発生します。
法律で定められている具体的な有給休暇の日数は、勤続年数に応じて、10日から20日です。
法律で定められている具体的な有給休暇の日数は、勤続年数に応じて、10日から20日です。
Q・有給休暇の申請をしたところ、会社から、「今は忙しいので有給休暇をとらないで欲しい」と言われました。
その場合、有給休暇をとることはできないのでしょうか。
その場合、有給休暇をとることはできないのでしょうか。
A・会社が「事業の正常な運営を妨げる」ことを説明した場合には、申請どおりに有給休暇が認められない場合がありますが、ただ単に忙しいという理由だけでは、この要件は満たしません。
Q・パート労働者には、有給休暇は認められないのでしょうか。
A・パート労働者でも、
(1)所定労働日数が週5日以上の者
(2)所定労働日数が年217日以上の者
(3)所定労働日数が週4日以下でも、所定労働時間が週30時間以上の者
は、通常の労働者と同じ有給休暇を取得する権利があるとされ、それに満たない場合でも、法律は一定の有給休暇を認めています。
(「所定労働日数」「所定労働時間」とは、労働契約や就業規則等で定められた労働時間のことです)
(1)所定労働日数が週5日以上の者
(2)所定労働日数が年217日以上の者
(3)所定労働日数が週4日以下でも、所定労働時間が週30時間以上の者
は、通常の労働者と同じ有給休暇を取得する権利があるとされ、それに満たない場合でも、法律は一定の有給休暇を認めています。
(「所定労働日数」「所定労働時間」とは、労働契約や就業規則等で定められた労働時間のことです)