2 法テラス

第21.2(1)法テラス①

● 法テラスとは

 

Q・先日、勤め先の会社から突然解雇されてしまいました。
 不当な解雇だと思うので、弁護士に相談したいのですが、給料が出なくなってしまったため、弁護士費用が心配です。

A・そういう場合は、「法テラス」を利用することが考えられます。

Q・法テラスというのは聞いたことがあります。
 どういうところで、どんなことをしてくれるのでしょうか。

A・法テラスというのは「日本司法支援センター」の愛称で、国が設立した、法的トラブル解決のための、いわば総合案内所です。
 弁護士費用を立て替えてくれる制度もあるので、お金がない人でも、弁護士を頼むことができます。

Q・立て替えてもらった費用は、どうやって返済するのでしょうか。

A・法テラスに毎月分割で返済することになります。
 また、事件が解決して、相手からお金の支払いがされたような場合には、その中から返済することになります。


 

● 法テラスの利用条件

 

Q・それなら安心ですね。法テラスの立て替え制度は誰でも利用できるのでしょうか。

A・収入や資産が一定額以下であることが利用の条件になっています。
 たとえば、収入としては、
 東京都内に在住の単身者の場合は、手取り月収額が20万200円以下であること、
 都内在住の夫婦で子どもがいない場合は、夫婦の手取り月収額の合計が27万6100円以下であること、
 というように、住んでいる都道府県や家族構成により、利用できる条件が違います。
 また、この限度額は、家賃・住宅ローンを負担している場合には、一定程度、たとえば東京都内の単身者であれば5万3000円を上限として増額しますので、多くの人の利用が可能となっています。

Q・解雇などで失業している場合には、収入の条件は満たすことになりますね。
 資産の条件はどうなっているのでしょうか。

A・資産としては、
 現金、預貯金、自宅以外に持っている不動産、株式等の時価を合計して、
 単身者の場合は180万円以下であること、
 夫婦2人暮らしの場合は、合計250万円以下であること、
 というように、こちらも家族構成等によって利用できる条件が違います。
 また、医療費や教育費などの出費がある場合には、考慮してもらえます。

Q・条件を満たすかどうか、自分で判断するのは難しそうですね。

A・法テラスのホームページで、立て替え制度を利用できるかどうか、簡単な判定をしてもらえます。
 収入・資産以外の利用条件もありますので、まずはともあれ法テラスへ相談(無料法律相談)に行ってみるとよいでしょう。


 

● 弁護士を選ぶことも可能

 

Q・法テラスの立て替え制度を利用して弁護士に依頼をする場合、弁護士は誰が選んでくれるのでしょうか。

A・弁護士は法テラスが選んでくれます。
 また、それとは別に、自分で探して相談にいった弁護士に依頼する場合の費用を、法テラスに立て替えてもらうこともできますので、その場合は、相談にいった弁護士に、法テラスの利用について聞いてみるといいでしょう。