
3 所有権の取得時効
第19.3 所有権の取得時効
● 土地所有権の取得時効
Q・私は、15年前に不動産業者から建売住宅を購入し、住み続けてきました。
最近になって、うちのブロック塀が隣の土地にはみ出していると、隣から言われました。
すでに売主の不動産業者はありません。
はみ出した部分の土地を、隣に返さなければならないのでしょうか。
最近になって、うちのブロック塀が隣の土地にはみ出していると、隣から言われました。
すでに売主の不動産業者はありません。
はみ出した部分の土地を、隣に返さなければならないのでしょうか。
A・購入した時の資料の中に、土地の境界に関する書面があるはずです。
隣の言い分が正しいのかどうか、もう一度資料を確認してください。
仮に、本当にはみ出していたとしても、その部分の土地所有権について、取得時効が完成している可能性があります。
隣の言い分が正しいのかどうか、もう一度資料を確認してください。
仮に、本当にはみ出していたとしても、その部分の土地所有権について、取得時効が完成している可能性があります。
Q・取得時効というのは、何ですか?
A・他人の物であっても、一定期間、所有の意思で、平穏かつ公然に、占有を続けた場合に、その物の所有権を取得するという制度です。
● 善意・無過失は10年,それ以外は20年
Q・どれくらいの期間で取得時効が完成するのですか。
A・他人の物の占有を開始した時点で、善意・無過失(他人の物であることを知らず、かつ、その点について過失がないこと)の場合は10年、善意でも過失がある場合や、また、悪意(他人のものであることを知っていた場合)の場合は20年、で取得時効が完成するとされています。
Q・私の場合も、取得時効が完成している可能性がありますか。
A・あなたの場合、購入時に、仲介業者などから境界についての説明を受け、資料も渡されているはずですから、善意・無過失と判断される可能性があります。
また、売買で取得し、これまで住み続けていますので、「所有の意思」や「平穏かつ公然」という点も特に問題なく、取得時効が完成している可能性があります。
また、売買で取得し、これまで住み続けていますので、「所有の意思」や「平穏かつ公然」という点も特に問題なく、取得時効が完成している可能性があります。
● 取得時効も、登記をしておかないと…
Q・隣の方は、近く土地を他に売却する予定があるようです。隣地が売却された場合でも、新しい所有者に対し、私は取得時効を主張することはできますか。
A・取得時効が完成した後、登記をしておかないと、新所有者には、取得時効の完成を主張できないとされています。
ですから、隣の方に、あなたが時効取得した部分を分筆してもらい、その部分の登記をあなたに移転してもらう必要があります。
ですから、隣の方に、あなたが時効取得した部分を分筆してもらい、その部分の登記をあなたに移転してもらう必要があります。
Q・隣の方は、とてもそのような協力をしてくれないと思います。どうしたらいいのでしょうか。
A・その場合は、移転登記を求める裁判を起こす必要があります。