3 外国人と仕事

第15.3(1)外国人と仕事①

● 外国人の雇い入れ

 

Q・私は中小企業を経営しています。この度、外国人を労働者として雇い入れようと思います。
 雇い入れに際して、まず気をつけるべき点は何ですか。

A・外国人が日本で就労するには、一定の資格が必要です。
 資格がないまま就労することは法律で禁止されています(不法就労)。
 不法就労した外国人だけでなく、事業主も処罰の対象となる場合がありますので、まずは不法就労をさせないように気をつけましょう。

Q・不法就労となるのは、どのような場合ですか。

A・在留期間を過ぎた不法滞在者を雇用したり、観光目的で入国した外国人を雇用してしまうのが、不法就労の典型的なケースです。
 また、入国管理局から認められた範囲を超えて働かせることも不法就労となります。
 たとえば、コックとして働くことを認められた外国人を、部品工場の労働者として雇用することは不法就労となります。


 

● 不法就労の防止のために

 

Q・不法就労を防止するためには、どのような点に気をつければよいでしょうか。

A・外国人を雇用するに先立ち、「在留カード」を確認するようにしてください。
 在留カードとは、免許証ほどのサイズのカードで、日本に中長期滞在する外国人に交付されるいわば身分証明書です。
 不法滞在者や観光旅行者には在留カードが交付されません。在留カードを所持していない外国人は、原則的に雇用できません。

Q・在留カードを提示してもらって、どこを確認すればいいですか。

A・在留カードを見れば、その外国人が就労ができるかどうかや、就労について何らかの制限があるか等が確認できます。
 具体的には、在留カードの「就労制限の有無」欄に、「就労不可」とか「在留資格に基づく就労活動のみ可」といった記載があります。
 就労に関する制限が在留カードに記載されている場合には、その制限の範囲内で雇用することが必要になります。

Q・在留カードの記載だけでは、就労の可否を判断できません。
 在留カード以外に、外国人の就労が可能かどうかを判断する資料はありますか。

A・はい。入国管理局から交付される「就労資格証明書」によって、外国人の就労の可否を確認することもできます。
 就労資格証明書は、外国人が就労しようとする具体的な業務が、認められた就労の範囲内かどうかを判断し、資格を証明してくれる書類です。
 在留カードのみでは就労の可否が判断できないような場合には、就労資格証明書を取得するようにしましょう。
 就労資格証明書は、外国人が入国管理局に申請することで取得できます。


 

● 外国人を雇い入れたら

 

Q・外国人を雇い入れた場合、何か特別な手続をする必要はありますか。

A・外国人労働者を雇用した場合、事業主は外国人の氏名等をハローワークへ届け出る必要があります。
 届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金が科せられることがありますので、注意しましょう。