法律相談Q&A 
1 近隣の法律問題一般

第14.1 近隣の法律問題一般 (1)日照の侵害と救済方法

● 日照権とは

 

Q・私の住居の南側に高層マンションの建設が計画されており、うちの日当たりが悪くなることが予想されます。
 日照権という言葉を聞きますが、どのような権利ですか。

A・日照権とは、一定の日当たりを確保することで、快適で健康な生活を送る権利です。
 昭和47年、最高裁がこれを法律上保護される利益と認めました。


 

● 建築基準法による規制

 

Q・日照権は、具体的にはどのように保護されるのですか。

A・法律上保護される権利と認められたものの、権利としては極めて抽象的で、具体的に保護される範囲は、個別具体的な事情に応じて判断するほかありません。 
 建築基準法では、建物の高さ制限の制度が設けられ、また、昭和51年に日影規制、すなわち建物が隣接地に生じさせる日影時間を一定時間に規制する規定が新たに設けられるなど、一応の日照の確保が図られています。


 

● 日影図を入手しよう

 

Q・今度、マンション建設の説明会が開かれます。どのような点に注意したらいいでしょうか。

A・通常、説明会では、予定建物の規模や工期、周辺に及ぼす影響等の説明がなされます。その際、冬至における日影図(にちえいず)を示して、日照についての説明もあるのが通常ですので、その日影図の写しをもらってくるとよいでしょう。
 その上で、日照に心配がある場合には、建設会社や施主と交渉してみることが大切です。


 

● 日照権の侵害が認められる場合

 

Q・どのような場合に日照権の侵害が認められるのですか。

A・①日照妨害の程度や、②地域性、③加害回避の可能性、④被害回避の可能性、⑤加害建物・被害建物の用途、⑥先住関係、⑦加害建物の公法規制違反の有無、⑧交渉過程等
様々な事情を考慮して、「受忍限度」を超える違法な日照妨害が発生している(発生する可能性がある)場合に、侵害があると認められます。

Q・①日照妨害の程度は、どのように判断するのですか。

A・通常は、冬至の午前8時から午後4時までを基準日時として、新たに建設される建物によって生じる日影時間を測定して判断します。
 建築基準法上の日影規制に違反しているような場合には、受忍限度を超えるという判断がなされる可能性が出てきます。

Q・なぜ②地域性が考慮されるのですか。

A・住居地域であるのか、商工業地域であるのか等に応じて、日照の享受に対する期待度が異なるためです。
 ※各地域内で具体的に許容される日影時間や、自分の居住地がどのような用途地域の指定がなされているかは、お住まいの地方公共団体の建築課でご確認ください。


 

● 救済方法

 

Q・受忍限度を超える日照妨害があると判断される場合には、どのような救済を得ることができますか。

A・違法建築の場合には、建築の差し止めが認められる場合もありますが、多くの場合は、損害賠償の請求に止まるのが実情です。