2 消費者問題の具体例

第12.2 (1)消費者問題の具体例①

● 電話勧誘販売

 

Q・北海道の果物専門店を名乗る者から、「旬の果物を詰め合わせて配送料無料でお送りします。 代金は普段なら2万円ですが、この電話で申し込んでいただければ1万円で結構です」と電話がありました。
 このような電話による勧誘を受けたときは、どのような点に注意すればよいでしょうか。

A・電話勧誘販売は、消費者が商品を欲しいと思っていないときでも、業者からの一方的な電話により取り引きが始まります。
 業者が長時間しつこく売り込みをし続けるということもあるため、消費者が冷静な判断をすることが難しい場合もあります。
 また、顔を合わせて取り引きをするのと異なり、業者の説明がわかりにくかったり、説明が虚偽であることに気づきにくいということがあります。
 電話による勧誘を受けたときは、すぐに取り引きに応じることなく、一度電話を切って冷静に考えてから判断をする方がよいでしょう。

Q・電話勧誘に応じて商品を頼んでしまった場合、後で冷静に考えて不要な商品だったとしても、代金を支払わなければいけないでしょうか。

A・電話勧誘販売の場合は、一度契約を結んだ後でも、原則的にクーリング・オフ(契約の解除)をすることが可能です。
 クーリング・オフをすれば、商品を頼んでしまった後でも代金の支払いを拒むことができます。
 また、既に代金を支払ってしまった場合は、支払った代金の返還を請求することもできます。

Q・クーリング・オフをすることができる期間には制限がありますか。

A・はい。電話勧誘販売の場合、クーリング・オフ期間は8日間です。
 しかし、その期間は、商品を頼んだ日や商品を受け取った日ではなく、法律で定められた事項をきちんと記載した書面を業者から受け取った日から8日間となります。
 そのような書面を受け取っていない場合は、商品を受け取ってから8日間以上経過してもクーリング・オフができますので、諦めずに弁護士等の専門家に相談してみてください。

Q・果物や魚介類などの生鮮食品であってもクーリング・オフをすることはできますか。

A・はい。上記の期間内であればクーリング・オフできます。

Q・クーリング・オフをするにはどのような方法をとるのがよいでしょうか。

A・クーリング・オフは、クーリング・オフすることを明確に記載した書面を業者に対して送付する方法で行うのがよいでしょう。
 後々の証拠とするためには、内容証明郵便を使うのが最適です。
 内容証明郵便については郵便局のサイトをご覧ください。


 

● 勝手に商品を送りつけてくる商法

 

Q・先日、頼んだ覚えのない小包が届きました。
 しばらく放っておいたのですが、小包を開けてみたところ健康器具と一緒に「5日以内に返送しない場合は、器具を購入したものとして3万円を請求します」という書類が入っていました。
 頼んでもいない商品の代金を支払わなくてはいけないのでしょうか。

A・一方的に商品を送りつけられたとしても、消費者が頼んでいない物であれば代金を支払う必要はありません。
 このような送りつけ商法は、消費者の不安につけ込む悪徳商法ですので、代金を請求されたとしても無視することが一番です。

Q・送りつけられた商品はどうしたらよいですか。

A・業者に対して商品の引き取りを請求したり、料金着払いで業者に返送するのがよいでしょう。
 また、一定期間(原則として商品が送付された日から14日間)が経過した場合は、商品を処分してしまっても構いません。

Q・頼んだ覚えのない商品が代金引換郵便で送られてきた場合、気をつけることはありますか。

A・商品を勝手に送りつけてくるような悪徳業者の場合、一度代金を支払ってしまうと、代金を取り戻すことは難しくなります。
 代金引換で受け取る前に、自分や家族が頼んだ商品なのかをよく確認するようにしましょう。