4 ハラスメント問題

第8.4 ハラスメント問題 (4)マタニティハラスメント②

● マタハラに対する相談

 

Q・産休を理由として、管理職から降格するという処分がされたような場合には、どう対応したらいいですか。

A・まずは、会社の労働に関する相談窓口や人事課などに、降格処分を取り消してもらえないか相談し、検討してもらうことが大切です。
 セクハラの時と同じように、まずは会社に対応してもらうことが、大切です。

Q・しかし、会社が一度した処分を取り消すことはあまりなさそうです。そのような場合には、裁判などをするしかないのですか。

A・そのような場合には、厚生労働省が各都道府県に設置している労働局雇用均等室に相談してみることが考えられます。


 

● 労働局雇用均等室への相談

 

Q・そこでは、どのような対応をしてくれますか。
A・雇用均等室は、マタハラの相談があった場合、相談者から事情をよく聞いた上で、必要な場合には、さらに、会社にも事情聴取を行い、会社がした「不利益な取扱い」が、違法ではないかについて判断してくれます。

Q・「不利益な取扱い」と判断した場合には、会社に対して何かしてくれるのでしょうか。

A・その場合、雇用均等室は、会社に対し、助言・指導・勧告を行い、「不利益な取扱い」を是正するように求めてくれます。
 会社がそれらにも応じないという場合には、厚生労働大臣名での勧告書を会社に交付してくれます。


 

● 会社名の公表

 

Q・それでも会社が応じなかった場合には、どうなりますか。

A・その場合には、厚生労働省がその会社の名前を公表することができます。
 会社の名前を公表するということは、会社の違法行為が公にされてしまうということです。会社の信頼に大きく影響しますので、重大なダメージになります。
 会社もこのようなリスクを避けるために、産休等を理由に「不利益な取扱い」をしたと言われないよう、慎重に判断をしないといけません。


 

● 降格処分の取り消し等を求める裁判

 

Q・それでも、会社が「不利益な取扱い」を是正しなかった、という場合には、どうしたらいいでしょうか。

A・その場合には、裁判所に対して、裁判を提起するか、労働審判を申し立てるほかありません。
 ※労働審判については、「第8-1労働問題一般(8)労働問題を解決するための機関」を参照してください。

Q・審判や裁判で降格処分が違法と判断された場合には、処分前の管理職として働けるのですか。

A・はい。処分が違法と判断された場合には、その処分は取り消されて、処分の前の管理職として、働くことができます。