法律相談Q&A 
3 労働契約法の改正

第8.3 労働契約法の改正 (3)不合理な労働条件の禁止

● 無期労働契約へ転換した場合の労働条件は?

 

Q・有期労働契約を、無期労働契約に転換できるようになりましたが、無期労働契約に転換された後の労働条件はどのようになるのでしょうか。

A・労働協約や就業規則、個別の労働契約で労働条件を変更する合意等がある場合はそれに従います。それ以外は、有期労働契約の時と同一の労働条件が適用されます。


 

● 有期であることによる不合理な労働条件の相違を禁止

 

Q・私の知り合いは契約社員(有期労働契約)として勤務していますが、いつ契約を切られるか分からない上に、同じ仕事をしているのに正社員との間で、待遇に格差があると嘆いていました。
 正社員(無期労働契約)になって立場が安定するのは喜ばしいですが、契約社員の時と同じ待遇だとすると、喜びも半減ですね。

A・その方のケースは、そもそも、現時点においても職務内容に違いがないのに、有期労働契約(契約社員)であるというだけで、無期労働契約(正社員)の場合と比較して労働条件(待遇)に格差があるところに問題があります。
 そこで、こうした待遇の格差を是正するため、職務内容や責任に違いがないのに、有期労働契約であるからといって無期労働契約と待遇に格差を設けること自体を禁止することが、平成25年の法改正で明文化されました。


 

● 問題となる「労働条件」とは

 

Q・法律で格差を設けることが禁止される「労働条件」とは、どういったものでしょうか。
A・賃金や労働時間はもとより、福利厚生、服務規律、教育訓練等、労働契約の内容となる労働条件の一切を含みます。

Q・職務内容に違いがあれば、待遇の格差も認められるのでしょうか。

A・職務内容に違いがあるといっても、例えば、通勤手当や有給休暇といった職務内容とは無関係なものについて格差を設けることは不合理であり、認められないと考えられます。

Q・不合理な格差がある場合は、どうしたらいいですか。

A・そのような労働条件の定めは無効となり、無効とされた部分については他の無期労働契約の場合と同じ労働条件が認められます。
 また、不合理な労働条件の格差が悪質であった場合などは、程度により、そのような労働条件の設定そのものが、不法行為として損害賠償の対象となる場合もあります。
 積極的に格差の是正を求めていくべきでしょう。