
1 労働問題一般
第8.1 労働問題一般 (8)労働問題を解決するための機関
● 労働問題の解決のための窓口、機関は?
Q・労働問題を解決するためには、どういった機関が利用できますか。
A・代表的なものとして、労働基準監督署と裁判所の利用が考えられます。
● 労働基準監督署とは?
Q・労働基準監督署というのは、どういうところですか。
A・労働基準法や関係する法律の規制が守られるよう、事業者等を監督することを主たる業務とする、厚生労働省の出先機関です。各都道府県に複数設置されており、例えば東京都には18か所あります。
Q・労働基準監督署では、労働問題にどのように対応してくれますか。
A・「相談」窓口がありますので、まず自分の抱えている問題が、労働基準法上どのような問題にあたるのか、気軽に相談してみるといいでしょう。
Q・相談だけで済まない場合はどうしたらいいですか。
A・賃金や残業代の不払いなどといった労働基準法違反がある場合には、それを「申告」することができます。
Q・「申告」をした場合、労働基準監督署はどのような対応をするのですか。
A・労働基準監督官が調査を行い、事業者に対して「指導」や「是正勧告」を行います。
「指導」は、例えば、年次有給休暇を自由にとれない運用を行っている事業者に対し、「指導票」を送付して、改善措置をとること、またその改善状況の報告を求めるものです。
また「是正勧告」は、例えば、未払賃金がある場合に、一定の期限を定めてその支払いを勧告し、結果の報告を求めるものです。
労働基準法は刑罰を定めています。労働基準監督官は、悪質な法律違反の事例については、検察庁に送検する権限も持っています。
(ただし、労働基準法に直接の規定のない、退職強要や出向配転の問題、労働条件の不利益な変更等については、「申告」での対応はなされません)
「指導」は、例えば、年次有給休暇を自由にとれない運用を行っている事業者に対し、「指導票」を送付して、改善措置をとること、またその改善状況の報告を求めるものです。
また「是正勧告」は、例えば、未払賃金がある場合に、一定の期限を定めてその支払いを勧告し、結果の報告を求めるものです。
労働基準法は刑罰を定めています。労働基準監督官は、悪質な法律違反の事例については、検察庁に送検する権限も持っています。
(ただし、労働基準法に直接の規定のない、退職強要や出向配転の問題、労働条件の不利益な変更等については、「申告」での対応はなされません)
● 最後の砦―裁判所
Q・裁判所は、どのような事例での利用が考えられますか。
A・例えば、突然解雇を言い渡されたといった事例では、その違法・不当を争うに際し、まずは「仮処分」の申立を行い、従業員の地位を暫定的に定めてもらい、賃金の支払いを確保するといったことが考えられます。
その場合には、仮処分が認められた後に、正式裁判を提起し、改めて解雇の効力を争うことになります。
また、未払い賃金や残業代の支払いを求めるために裁判所を利用する事例も少なくありません。
その場合には、仮処分が認められた後に、正式裁判を提起し、改めて解雇の効力を争うことになります。
また、未払い賃金や残業代の支払いを求めるために裁判所を利用する事例も少なくありません。
Q・裁判というと、解決までに何年もかかるという印象がありますが。
A・複雑な集団的な労使関係が争われているような場合でない限り、1年前後で終結するケースが少なくありません。
また、判決まで至らなくても、裁判所を通じて話し合い(和解)によって解決に至る事例も多いでしょう。
また、判決まで至らなくても、裁判所を通じて話し合い(和解)によって解決に至る事例も多いでしょう。
● 労働審判とは?
Q・労働審判手続という制度は、通常の裁判とどこが違うのですか。
A・労働審判手続は、解雇や給料の不払いなど、事業主と個々の労働者との間の労働関係に関するトラブルを、そのトラブルの実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的とした制度です。
原則として3回以内の期日で審理し、適宜「調停」を試み、最終的には「審判」が下されます。
およそ3か月程度で結論が出されるため、早期の解決が期待できます。
(ただし、労働審判に対して当事者から異議の申立てがあれば、労働審判はその効力を失い、通常の訴訟に移行することになります)
原則として3回以内の期日で審理し、適宜「調停」を試み、最終的には「審判」が下されます。
およそ3か月程度で結論が出されるため、早期の解決が期待できます。
(ただし、労働審判に対して当事者から異議の申立てがあれば、労働審判はその効力を失い、通常の訴訟に移行することになります)