法律相談Q&A 
3 犯罪被害者

第7.3 犯罪被害者 (4)加害者との示談

● 示談とは

 

Q・通勤中の電車内で、着衣の上から体を触られる痴漢被害に遭いました。幸い周囲の方が気付いて犯人を捕まえてくれ、警察に引き渡しました。
 後日、検察官から、「加害者の弁護人が示談の話をしたいといっている。会ってみてはどうか」と連絡がありました。
 示談というのはなんですか。

A・加害者は、迷惑防止条例違反という「刑事責任」を負います。
 他方、それとは別に、加害者は被害者に対し、犯罪被害に対する損害を賠償する「民事責任」も負うことになります。
 この民事責任について、当事者の話し合いによって解決することを示談といいます。

Q・加害者とは一切かかわりを持ちたくないと思っていますが、弁護士と会って一度話を聞いた方がいいのでしょうか。

A・それはあなたの自由です。
 しかし、被害を受けた者が損害賠償を受けるのは、法律上当然のことです。
 他人に被害を与えておきながら、何らの被害弁償もしないで済まされるというのも、好ましいことではありません。
 相手が弁護士であれば、一度会って話を聞いてみてはいかがでしょうか。


 

● 示談の内容、刑事処分への影響

 

Q・示談では、どのような形で解決が図られるのですか。

A・通常は、加害者から被害者への謝罪と、損害賠償についての取り決めをします。
 また、電車内での痴漢被害というケースでは、例えば、加害者に、一定期間、あなたの通勤時間帯には同じ鉄道を利用しないことを約束させることも考えられます。

Q・痴漢被害の場合の損害賠償金額というのは、どれくらいですか。

A・着衣の上からの痴漢の場合は、精神的損害が中心となります。
 その損害賠償(慰謝料)の額は、ケースにもよりますが、示談金として20万円前後が支払われる例が多いようです。

Q・示談をした場合、犯人の刑事処分に何か影響はありますか。

A・示談の条項として、「加害者を今回に限り宥恕(ゆうじょ)する」(許す)といった文言を入れる場合もありますが、そのような文言の有無にかかわらず、示談が成立したことは、加害者の刑事責任を決める上で、加害者にとって有利な事情として考慮されることになります。


 

● 示談の時期

 

Q・示談することで、加害者の刑事処分が軽くなるというのは納得いきません。加害者の刑事処分が決まった後で示談することはできますか。

A・加害者が民事責任を負っていることに変わりはありません。
 しかし、刑事処分が決まった後となると、加害者の被害弁償の意欲が薄れ、示談がスムーズに進まないというケースもまま見られます。
 損害賠償の裁判を起こすというのも手間がかかります。
 刑事処分が決まる前に示談の話を進めることは、被害者にとっても有利となる場合が多いと思います。