法律相談Q&A 
1 成人の刑事事件

第7.1 成人の刑事事件 (2)逮捕、勾留中における弁護士の役割

● 弁護士の専門的アドバイスが大きな力になることも

 

Q・逮捕された夫のことがとても心配ですが、どうすればいいかわかりません。弁護士さんに付いてもらった方がいいのでしょうか。

A・突然、身柄を拘束されて留置場に入るわけですし、捜査機関の取り調べも過酷となる場合があり、被疑者は精神的に相当参ってきます。
 そこで、被疑者の立場に立った法律の専門家が相談に乗ることが大きな意味を持つ場合があります。

Q・具体的に弁護士さんは何をしてくれるのですか。

A・まず、被疑者と面会して、警察の取り調べにどう答えたらいいか、今後の見通しなどの法的なアドバイスの他、勤務先や被害者への対応などについて、専門的見地から相談に乗ってくれます。
 なお、勾留期間中に家族との面会や手紙のやりとりが禁止されることもありますが(「接見禁止」といいます)、弁護士は面会が可能です。

Q・釈放に向けて検察や裁判所と交渉してもらうこともありますか。

A・早期の身柄釈放への活動も、弁護士の大切な役割です。そのため、勾留前に検察官や裁判官と面会し、または意見書を提出することも少なくありません。
 また、勾留決定や勾留延長決定に対する異議申立て(「準抗告」といいます)を行い、争う場合もあります。


 

● 示談による早期の身柄解放という効果も

 

Q・被害者との示談もしてもらえるのですか。

A・傷害や窃盗など、被害者がいる事件で、被疑者も罪を認めているときは、示談交渉が弁護士の活動として非常に重要になります。
 早期の示談成立は、罪を軽くし、早期の身柄解放につながる場合も少なくありません。
 また、被害者の告訴がなければ事件にならない場合(「親告罪」(しんこくざい)といいます)、示談とともに告訴を取り下げてもらい、事件を終了させることもあります。


 

● 当番弁護士、被疑者国選制度でより安心に

 

Q・私には知り合いの弁護士がいません。どうしたらいいですか。

A・各弁護士会では「当番弁護士」という制度を設けています。これは、弁護士が当番制で待機していて、被疑者やその家族からの要請を受け、被疑者と面会する制度です。1回目の面会は無料となっています。
 したがって、知り合いの弁護士がいなくても、弁護士会に要請すれば、当番弁護士が面会し、相談に乗ってもらえます。
 ただし、その後の弁護も依頼するには、別途弁護士と契約することになります。費用は、直接、弁護士にご相談下さい。
 ちなみに、東京では、東京弁護士会、第1東京弁護士会、第2東京弁護士会が共同して刑事弁護センターを設置しています。詳しくは東京弁護士会のホームページをご参照下さい。
 また、一定の犯罪について、公費により被疑者に弁護士が付く「被疑者国選制度」もあります。これは、被疑者に対して勾留状が発せられている場合で、被疑者が貧困などの理由によって私選弁護人を選任することができないときは、裁判官に対し、国選弁護人の選任の請求をすることができるとする制度です。