
3 法定後見人の職務
第6.3 法定後見人の職務
● 成年後見人の職務
Q・成年後見人は、本人の財産に関する全ての行為についての代理権をもち、本人が勝手に行った行為は取り消すことができるということですが、例外はありますか。
A・食品や衣料品など日用品の購入や、光熱費等の支払い、また、それらに必要な範囲での預貯金の引き出しなど、日常生活に関する行為については、本人が自由にできるとされています。
他方、成年後見人が代理権をもつといっても、本人の意思が尊重されるべき遺言や、認知・婚姻などといった身分に関する行為については及びません。
他方、成年後見人が代理権をもつといっても、本人の意思が尊重されるべき遺言や、認知・婚姻などといった身分に関する行為については及びません。
Q・本人の日常的な介護や、毎日の食事の世話といったものは、成年後見人が行うことになるのでしょうか。
A・いいえ、そうではありません。
介護施設への入所契約などは、成年後見人が代理権をもちますが、現実の介護という事実行為は、成年後見人の職務には含まれません。
介護施設への入所契約などは、成年後見人が代理権をもちますが、現実の介護という事実行為は、成年後見人の職務には含まれません。
● 法定後見人に対する監督
Q・法定後見人は幅広い権限をもつことになりますが、これに対する監督は誰が行うのでしょうか。
A・家庭裁判所は、法定後見人に対し、職務の実施状況の報告を求めたり、財産目録の提出を求めることにより、監督がなされるのが通常です。
また、法定後見人の権限濫用、任務懈怠を防止するため、一定の場合に、家庭裁判所は後見(保佐・補助)監督人を指定できるとされています。
また、法定後見人の権限濫用、任務懈怠を防止するため、一定の場合に、家庭裁判所は後見(保佐・補助)監督人を指定できるとされています。
● 費用・報酬など
Q・法定後見人の職務を行うにあたって必要となる費用は、誰が負担するのですか。
A・本人の財産の中から支出します。
Q・法定後見人に対し、報酬が支払われることはありますか。
A・家庭裁判所は、法定後見人が行う事務の内容や、法定後見人の職業(弁護士、司法書士、社会福祉士等が就任の場合など)、本人との親族関係の有無等の事情を考慮し、本人の財産の中から、法定後見人に相当な報酬を与えることができるとされています。
● 後見人等の辞任・解任
Q・法定後見人に就任した後は、自由に辞任することはできるのでしょうか。
A・いいえ、自由に辞任することはできません。自由な辞任を認めると、本人の保護を図ることができなくなるからです。
但し、例えば、法定後見人が病気で職務を行うことができないといった正当な理由がある場合には、家庭裁判所の許可を得て、辞任することができます。
但し、例えば、法定後見人が病気で職務を行うことができないといった正当な理由がある場合には、家庭裁判所の許可を得て、辞任することができます。
Q・法定後見人が本人の財産を私的に流用するなどの事情がある場合、解任を求めることはできますか。
A・法定後見人に不正な行為等があった場合には、本人や親族等は家庭裁判所に解任を求めることができます。