4 マンションの管理・運営

第3.4 マンションの管理・運営 (2)共用部分の管理行為

● 共用部分の管理

 

Q・マンションの窓を厚いガラスに変えるなど、共用部分に手を加えるにはどうすればいいのでしょうか。

A・共用部分の管理について法律で決められた手続を経る必要があります。
 その行為が「変更」「管理(狭義の管理)」「保存」のいずれにあたるかによって、必要とされる手続は違います。


 

● 共用部分の変更・管理(狭義の管理)・保存

 

Q・「変更」というのは、どういうことをいうのですか。

A・「変更」とは「共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴うもの」をいいます。
 例えば、新たにエレベータを設けたり、集会室を賃貸店舗に転用する場合などが、この「変更」にあたります。
 この場合、区分所有者の総会(管理組合総会)で、区分所有者数と議決権の各4分の3以上の決議(特別決議)が必要です。

Q・「管理(狭義の管理)」「保存」というのは、どういうことをいうのですか。

A・「保存」とは「共用部分を維持する行為のうち、緊急を要するか、又は比較的軽度の維持行為」であるとされています。
 具体的には、エントランスのガラスが破損したときに直したり、共用廊下の電球が切れているのを交換したりする行為などです。
 この場合、各区分所有者が単独で行うことが可能で、管理組合総会の決議は必要ありません。
 「管理(狭義の管理)」とは、「変更」と「保存」以外の行為です。
 階段に手すりを設置したり、集会室を集会以外の目的で使用するなどの行為が管理とされています。
 この場合は、区分所有者数と議決権の各過半数の決議(普通決議)が必要です。

Q・窓ガラスを厚いガラスに変えるのは、「保存」にあたりますか。

A・単純に割れたガラスを修理するのとは異なるので、「管理(狭義の管理)」にあたる可能性があります。
 ただし、「保存」にあたる場合でも、実際には、管理規約のなかで、管理組合がその責任と負担で共用部分の管理を行うと規定している場合も多くあります。管理規約をよく確認することが大切です。