法律相談Q&A 
3 住まいの法律相談

3 住まいの法律相談 (3)賃貸住宅のトラブル(家主変更)

● 家主の変更

 

Q・私は、現在借家に住んでいます。昨日、家主から、「都合により建物を売却することになった」と伝えられました。
 建物を売却されても、私は借家に住み続けることはできますか。

A・はい、心配はいりません。
 新たな建物所有者と、まだ賃貸借契約は締結していなくても、あなたが現に借家に住んでいれば、賃借権を主張することができます。
 これを、法律上、「賃借権に対抗力がある」といいます。

Q・住み続けることができるとしても、家主が変わったことで、勝手に家賃を値上げされないか心配です。

A・賃借権の「対抗力」により、新しい家主は、従前の賃貸借契約の貸主の地位をそのまま引き継ぐことになります。
 家賃等の条件もそのまま引き継ぎます。
 あなたの同意なく、家主が勝手に家賃を値上げすることはできませんので、安心してください。


 

● 家賃の支払い

 

Q・家賃の支払い先について、何か気を付けることはありますか。

A・通常は、仲介の不動産業者や、新たな建物所有者から、支払先の切り替えの時期や、振込先などについての説明があります。
 念のため書面でもらっておくとよいでしょう。
 なお、新しい所有者が誰なのかなど、疑問が生じる場合があります。
 判例では、新しい家主が借家の登記を備えるまでは、借家人は、新しい家主の賃料請求を拒むことができるとされています。
 場合によっては、建物の登記名義を確認してみてもよいでしょう。


 

● 敷金について

 

Q・前の家主へ差し入れた敷金は、どうなるのでしょうか。

A・前の家主から新しい家主が、現実に敷金を引き継いだかどうかにかかわらず、敷金は当然に、新しい家主に引き継がれるものとされています。

Q・新しい家主に対して、改めて敷金を差し入れる必要はないのですね。

A・改めて敷金を差し入れる必要はありません。
 ただし、前の家主に対し家賃の不払いなどがあり、前の家主がそれを敷金から差し引いていたような場合には、新しい家主に引き継がれる敷金の額は、その残額にとどまります。
 その不足分を差し入れるよう、求められることがあります。