
3 住まいの法律相談
第3.3 住まいの法律相談 (2)賃貸住宅のトラブル(立ち退き)
● 大家さんからの立退き要求
Q・私は、アパートに一人暮らしをしています。このアパートの賃貸借契約は期間が2年間で、更新が可能であり、私は既に3度契約を更新しました。
ところが、次回の契約満了日を3か月前に控えて、突然大家さんから次回の契約を更新しない旨の通知が来ました。
私は、3か月後アパートから立ち退かなくてはいけないのでしょうか。
ところが、次回の契約満了日を3か月前に控えて、突然大家さんから次回の契約を更新しない旨の通知が来ました。
私は、3か月後アパートから立ち退かなくてはいけないのでしょうか。
A・立ち退かなくても問題ありません。法律上、建物の賃貸借契約の更新の拒絶は、契約満了日の1年前から半年前までの間にしなければ、契約終了の効力を生じません。今回の通知は、その期間外に行われていますので、契約は法律上更新され、大家さんがアパートからあなたを立ち退かせることはできません。
Q・しかし、大家さんと交わした賃貸借契約書には、貸主は3か月前の通知であっても契約更新の拒絶ができるとの特約があります。この特約を根拠に大家さんは更新をしませんと通知してきているのですが、それでも立ち退かずに済むでしょうか。
A・その特約は、借主であるあなたにに不利な特約であり、法律上無効です。
したがって、そのような特約があっても、大家さんはその特約を根拠にあなたを立ち退かせることはできません。
したがって、そのような特約があっても、大家さんはその特約を根拠にあなたを立ち退かせることはできません。
● 立ち退き要求のその後
Q・期間満了時に立ち退かなくて済むのですね。とりあえずは安心しました。
しかし、今後どうなるか不安です。
しかし、今後どうなるか不安です。
A・3か月後の契約の更新は、今までの3度の合意に基づく更新とは異なり、法定更新といって、賃貸借契約に期間の定めがなくなります。
そのため、法定更新後に大家さんから解約の申し入れがあった場合には、「正当事由」がある限り、その申入れ時から6か月後に、あなたはアパートから立ち退かなければなりません。
そのため、法定更新後に大家さんから解約の申し入れがあった場合には、「正当事由」がある限り、その申入れ時から6か月後に、あなたはアパートから立ち退かなければなりません。
● 解約の申入れと「正当事由」
Q・「正当事由」とは何ですか。
A・簡単に言うと、賃貸借契約の終了を正当化できる事情のことです。
例えば、大家さんが高齢かつ病弱で、子との同居を必要としているが自宅だけでは手狭で、自宅の2階にあるアパートを子に利用させなければならないといった事情です。
正当事由の有無の判断に際しては、貸主である大家さんや借主であるあなたの建物利用の必要性を中心に、あなたの立退き時に支払われる、いわゆる立退料の額などの事情も総合的に考慮されます。
例えば、大家さんが高齢かつ病弱で、子との同居を必要としているが自宅だけでは手狭で、自宅の2階にあるアパートを子に利用させなければならないといった事情です。
正当事由の有無の判断に際しては、貸主である大家さんや借主であるあなたの建物利用の必要性を中心に、あなたの立退き時に支払われる、いわゆる立退料の額などの事情も総合的に考慮されます。
Q・「正当事由」がないと解約の申入れは認められないのですね。
本件では「正当事由」があるのでしょうか。また、先ほどのお話しにあった立退料は、解約された場合必ずもらえるのでしょうか。
本件では「正当事由」があるのでしょうか。また、先ほどのお話しにあった立退料は、解約された場合必ずもらえるのでしょうか。
A・まず、「正当事由」について回答しますが、さきほど説明したとおり、「正当事由」は、貸主・借主双方の建物利用の必要性が判断の軸となります。したがって、その軸となる事情が不明な本件について、見通しを示すことは困難です。
次に、立退料についてですが、必ずもらえるとは限りません。
先ほど例えとして挙げた、大家さんが高齢かつ病弱だったケースでは貸主の建物利用の必要性は高く、一方借主の建物利用の必要性は低かったため、立退き料の支払いなしで、正当事由が認められています。
そのため、本件では、まず、立退きを求める理由を大家さんに聞く必要がありそうです。その理由を確認したうえで、改めて弁護士に相談してみるといいでしょう。
次に、立退料についてですが、必ずもらえるとは限りません。
先ほど例えとして挙げた、大家さんが高齢かつ病弱だったケースでは貸主の建物利用の必要性は高く、一方借主の建物利用の必要性は低かったため、立退き料の支払いなしで、正当事由が認められています。
そのため、本件では、まず、立退きを求める理由を大家さんに聞く必要がありそうです。その理由を確認したうえで、改めて弁護士に相談してみるといいでしょう。