法律相談Q&A 
1 借地・借家一般

1 借地・借家一般 (4)更新料や名義書換料

● 更新料や名義書換料を請求された!

 

Q・今度、契約の更新時期を迎えます。更新の際には更新料を支払うようにと、間に入っている不動産屋から言われたのですが、必ず払わなければならないのでしょうか。


 

● 契約書に定めがなければ更新料の支払義務なし

 

A・この点については、最高裁判所の判例があり、契約書に「更新の際には更新料を支払わなければならない」といった定めがなければ、更新料の支払義務はないとされています。


 

● 借地の場合は定めがないケースも多い

 

Q・通常の契約書では、更新料の定めはどうなっているのですか。

A・借家の契約書には、定めがおかれている場合がほとんどです。しかし、借地の契約書の場合には、定めがないケースが結構あります。
 いずれにしても、自分の契約書を、よく点検してみた方がいいですね。


 

● 更新料の金額は

 

Q・更新料を払わなければならないケースでは、その金額はいくら位になるんですか。

A・借家の場合は、契約書で、更新料は「更新後の新家賃の1ヶ月分」と定められている場合がほとんどだと思います。
 借地の場合には、更新料の定めはあっても、金額までは約定されていないものが多く、その場合には、土地そのものの時価(更地価格)の3~5%程度が相場と言われています。


 

● 名義書換料とは?

 

Q・名義書換料という言葉を聞いたのですが、どういうことですか。

A・借地権を誰かに譲渡しようとする場合に、貸主に無断でおこなうと、契約を解除されてしまいます。
 そこで、事前に貸主の承諾を得る必要があるのですが、貸主は承諾をする条件として、承諾料を要求するわけです。
 これが、名義書換料とか、譲渡承諾料と言われるものです。
 この相場は、借地権価格(更地価格の6~7割程度)の1割程度です。


 

● 相続の場合も支払う必要があるか

 

Q・実は、土地を借りていた私の父親が、先日亡くなりました。
 私が借地契約を引き継ぐことになっているのですが、借地契約を私の名前に書き換えるときも、名義書換料を払わなければならないのでしょうか。

A・いいえ。相続の場合には、貸主の承諾がなくても、法律上当然に契約は引き継がれますから、名義書換料を払う必要はありません。


 

● 増改築承諾料

 

Q・借地上に建てた建物が傷んできたので、この際、建て替えようかと考えているのですが、これにも地主の承諾がいるのですか。

A・借地の契約書の中に、「建物を新築したり、増改築する場合には、地主の承諾を得なければならない」という定めがある場合(これを「増改築禁止特約」といいます)には、必ず事前に承諾を得る必要があります(ほとんどの契約書には、この特約がおかれています)。


 

Q・増改築承諾料の相場というのは、どれ位なんですか。

A・これは、ケースバイケースです。たとえば、
 非堅固建物(たとえば木造)から非堅固建物(たとえば軽量鉄骨造)への新築の場合ですと、更地価格の4%前後のことが多いでしょう。
 新築ではなく、増改築の場合には、その規模に応じて、更地価格の1~2%程度だと思われます。
 しかし、非堅固建物(たとえば木造)から「堅固建物」(たとえば重量鉄骨造)への新築の場合には、契約条件の変更が必要になり、更地価格の10%が承諾料の相場となります。
 もっとも、契約年数が、それまでの最低20年から、最低30年へと延長になります。
 (なお、平成4年8月1日以降に、「初めて」締結された借地契約の場合には、堅固建物、非堅固建物による契約期間の区別はないため、契約条件の変更による契約年数の延長はありません。この場合には、承諾料は10%よりも、少し安くなると思われます)


 

● 地主が承諾してくれない!

 

Q・地主が、借地権の譲渡や、建て替えを承諾してくれない場合には、あきらめて泣き寝入りするしかないんでしょうか。

A・そんなことはありません。
「借地非訟手続き」といって、地主の承諾に代わって、裁判所が、借地権の譲渡や建て替えを許可してくれる制度がありますので、それを利用して下さい。
 地主が法外な承諾料を要求している場合にも、この制度を使うと、裁判所が妥当な承諾料を決めてくれます。