
7 人身傷害補償保険
第2.7 人身傷害補償保険
● 人身傷害補償保険とは
Q・人身傷害補償保険というのは、どういうものですか。
A・被保険者自身が、人身傷害事故によって被った損害について、責任の有無や過失割合の確定を待つことなく、保険契約上の損害額の算定基準に従って算定された金額が支払われる保険です。
Q・通常の任意保険とは、どう違うのですか。
A・通常の任意保険は、対人賠償保険、対物賠償保険を中心とするもの、すなわち、被保険者が加害者となった事故について、被害者に対する法律上の損害賠償責任を担保することで、その責任を軽減・解消することを目的としています。
しかし、交通事故はいつ何時、どのような原因で起こるか分かりません。自分が被害者となった場合でも、相手方の対人賠償保険で十分な賠償を受けられるとは限りません。特に、自分にも過失がある場合には、その分については、相手方から賠償を受けることはできません。
このように、相手方から賠償を受けられない自身の損害についても、人身傷害補償保険に加入していれば、その補償を受けられるという点に大きな特徴があります。
しかし、交通事故はいつ何時、どのような原因で起こるか分かりません。自分が被害者となった場合でも、相手方の対人賠償保険で十分な賠償を受けられるとは限りません。特に、自分にも過失がある場合には、その分については、相手方から賠償を受けることはできません。
このように、相手方から賠償を受けられない自身の損害についても、人身傷害補償保険に加入していれば、その補償を受けられるという点に大きな特徴があります。
● 無保険者傷害保険との違い
Q・相手方が保険に加入していなかったり、保険金額が不十分な場合には、自分が加入している任意保険の「無保険者傷害保険」で損害の回復ができるのではないですか。
A・無保険者傷害保険で損害を回復できる部分もあります。しかし、同保険は、「死亡または後遺症」の発生が保険金の支払条件となっているのに対し、人身傷害補償保険の場合は、「傷害」の場合でも保険金が支払われます。
また、無保険者傷害保険は、相手方に法律上の損害賠償責任がある場合にその限度で支払われるものであるのに対し、人身傷害補償保険の場合は、相手方の損害賠償責任の有無を問いません。
無保険者傷害保険でカバーできない自身の損害を、人身傷害補償保険はカバーすることになります。
また、無保険者傷害保険は、相手方に法律上の損害賠償責任がある場合にその限度で支払われるものであるのに対し、人身傷害補償保険の場合は、相手方の損害賠償責任の有無を問いません。
無保険者傷害保険でカバーできない自身の損害を、人身傷害補償保険はカバーすることになります。
● 自損事故保険との違い
Q・自分の単独事故や、相手方に賠償責任が生じない場合に支払われる「自損事故保険」でも十分ではないのですか。
A・自損事故保険は、自賠責保険で救済を受けられない場合の保険という意味合いから、保険金額が必ずしも十分ではありません。人身傷害補償保険に加入することで、より厚い補償を受けられるという違いがあります。
● 人身傷害補償保険の補償対象
Q・私と同居していた母が歩行中に交通事故に遭いました。私の自動車保険には人身傷害補償保険が付いていますが、このような母の被害についても人身傷害補償保険が使えるのでしょうか。
A・使えます。
人身傷害補償保険は、歩行中の交通事故も対象とされています。また、保険証券記載の被保険者に限らず、その配偶者や同居の親族等が交通事故に遭った場合にも適用があります。
人身傷害補償保険は、歩行中の交通事故も対象とされています。また、保険証券記載の被保険者に限らず、その配偶者や同居の親族等が交通事故に遭った場合にも適用があります。
Q・母にも過失があったようですが、加害者に対して損害賠償請求するのと、人身傷害補償保険を使うのと、どちらがいいですか。
A・人身傷害補償保険の解釈に争いがあるところです。
一応、人身傷害補償保険の保険金請求を先にした方が無難とされていますが、専門の弁護士に相談することをお勧めします。
一応、人身傷害補償保険の保険金請求を先にした方が無難とされていますが、専門の弁護士に相談することをお勧めします。